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トップページ俳優・阿南健治観劇レポート>-三谷版-『桜の園』 2012-09-03 UPDATE

-三谷版-『桜の園』(作:アントン・チェーホフ / 脚本・演出:三谷幸喜)

これがチェーホフ? これぞチェーホフ!

 20世紀初頭の南ロシア。5年前、7歳の息子を事故で失ったラネーフスカヤ(浅丘ルリ子)は、放埒な夫が死んだあと、恋人とともに自分の領地“桜の園”を出てパリで遊蕩生活を送っていた。 しかし領地を任された兄、ガーエフ(藤木孝)に経営の才覚はなく負債はふくらむばかり。この“桜の園”も3ヵ月後に競売へかけられることになり、資産を使い果たした彼女は5年ぶりに帰ってきたのである。・・・
パンフ
 桜の園の農奴の息子だったロパーヒン(市川しんぺー)は今や実業家。彼は桜の木を切り払い、ここを別荘地にして貸し出し賃料を得ることを進める。 しかし、その提案は“桜の園”を誇りにするラネーフスカヤに拒否されてしまう。・・・

(パンフレットより抜粋)
キャスト

阿南健治は

公演後、楽屋口付近にて

 “桜の園”の近くに領地を持つ地主ピーシク役。時代の変化についていけず、領地は借金の抵当に入っており利子の支払いに四苦八苦している様子、 ラネーフスカヤに「お金貸して」と近寄り、彼女もお金がないのに貸してしまう。遊蕩生活から抜けきれない彼女の性格表現に一役買っている役どころです。 口ひげを生やし、見た目には一番ロシア人に近かったかも知れません。しゃべるとコテコテのジャパニーズ。今回もなかなかお茶目さんに、私には見えました(笑)

はじめに
 アントン・チェーホフの「桜の園」は、演劇界の代表的な作品だそうで、ストーリーは「ロシアの貴族が借金で領地を競売にかけられる」という喜劇といいながらシリアスだとか、 そんなこんなの目や耳に入ってくる情報にはさておいて、原作を読むこともなく、私はいつものように、いつもの三谷作品を楽しむ感覚で大阪の劇場(森ノ宮ピロティホール)に足を運びました。 劇場に入ると、いつものように(「えっ!本?」って思いながら)パンフレットを買って席につき、開演を待っていました。
観劇レポート
 開演10分ほど前に、「舞台は新人なので前説をやれと言われました」と、青木さやかさんが登場しました。思わず拍手!。 「この作品は喜劇ですが、(大阪の)皆さんご存知の(吉本新喜劇のオープニングテーマ)ほんわかほんわかほんわかではなく、ドッと大爆笑するような喜劇でもありません。」 「開演まで時間があるので歌います。」と歌いだしたメロディがAKB48のヘビーローテーションであることに気付くのに少し時間がかかりました。
 そして開演時間、アナウンスが始まりました。ロシア語?で…、ロシア語要るのか?と思っていたら、続く通訳で「携帯の電源はお切りください」などの諸注意が…、 そのうち「ピロシキには焼きピロシキと揚げピロシキがあります。」「赤いイクラはサケの卵、黒いイクラはキャビア」とこれ(アナウンス)も三谷さん演出なんだ、 もう始まっているんだと気付かされました。
 登場人物が日本名でも把握しにくいのにカタカナなので心配してたんですが、そんなことすぐに忘れていましたね。おひとりおひとりのキャラ設定がしっかりしていて、 会話だけでだいたいどの人物のこと言っているのか分かりやすかったと思います。そんな舞台は幕が変わっても「子供部屋」の場面のままで、 登場人物が外へ出入りするときは、その部屋の掃き出し窓(?)から出入りする設定になっているところも、三谷さんならではの演出なのかなと思いつつ、 それはそれで芝居として成立するから演劇って面白いですよね。
 ピーシク(阿南健治)がドゥニャーシャ(瀬戸カトリーヌ)に空のグラスを差し出すシーンは、 阿南健治ホームページ・楽屋の中で裏話があるんですが (2012年6月30日付けの 〈[212]独り言裏話編:『三谷版桜の園の東京公演を色々と楽しんで,その他の変身も楽しんで^^』〉をご覧ください)、 個人的には、そこが気になっていたので、「なるほど」とひとり納得のシーンでした(笑)。
 作品はチェーホフなんだろうけど、三谷さんらしい芝居だったなと思いました。アンコールも3回。楽しかったです。

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