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トップページ俳優・阿南健治観劇レポート>『第32進海丸』 2006-07-26 UPDATE

パンフ 『第32進海丸』(作:蓬莱竜太 / 演出:鈴木裕美)

俺やち漁師の息子やき……

高知県のとある漁師町。港付近の古びた建物の2階にある、田舎町に似つかわしくない若者向けのバー『マリーナ』。
牧野サトル(三宅健)は一人、客のいないマリーナで店番をしている。そこへ、9ヶ月に及ぶカツオ漁を終え帰港した『第32進海丸』の通信士、木原マナブ(大石継太)が訪れる。・・・
第32進海丸は、数ヶ月前に他界したサトルの父・清四郎が生前に漁労長(船頭)をしていた船だ。清四郎は“黒潮の狩人”と呼ばれた伝説の漁師だった。
サトルは木原に、「漁師になりたい、第32進海丸に乗りたい」と口利きを頼む。そこに階下の居酒屋で宴会をしていた第32進海丸の乗組員たちが次々とやってくる。
定職にも就かずにずっと遊び続けてきたサトルが、なぜ突然、船に乗りたいなどと言い出すのか。・・・
10人の男たち、それぞれの生き方と思いが錯綜する。

(パンフレットより抜粋)
キャスト


公演前、大阪城公園近くにて
阿南健治は

 清四郎の引退後、漁労長を任された坂本シンヤ役。海の男の中の男の役。
 坂本の下には、坂本を慕って進海丸の乗組員になった八代イサオ(山崎裕太)、坂本が千葉から引き抜いてきた芹沢ヤスアキ(大鷹明良)。 ライバルに河内タケシ(天宮良)。荒削りな漁師の男たちを1本にまとめるズンと腰の据わった寡黙な男といった役どころかしら・・・。
 漁労長の役柄、坂本はほとんど舞台にいた感じで、あなけんファンには嬉しい舞台となったのではないでしょうか(笑)。

はじめに
 V6の三宅健が主役とあって、会場は女性ばかり(汗)。阿南健治によると、観劇する98%が女性。男性の舞台ファンからの困惑した内容の投書も届いてたというから、 いやほんと、あの気恥ずかしさは半端じゃない。反対に舞台は男ばかりであっち(舞台)に行きたかった(笑)。
 時間にして休憩なしの2時間半強があっという間に過ぎた感じだった。
観劇レポート
 土佐・カツオの一本釣りの話なのに、舞台はバー(飲み屋)。つかみはOKかぁ?(笑)。幕は閉まらず暗転して場面が切り替わる。最初に明るくなったとき、まずサトル(三宅健)が登場する。 ファンの女の子たちが「キャッ」となるのかと思ったら、意外と静かで拍手もなかった。安心した(笑)。
 坂本は、サトルが木原に進海丸の乗組員になる口利きを頼んだあと登場する。舞台でも坂本は年長のほう、落ち着いた役柄も演(や)る年齢になったのかと一瞬自分の年齢を思い出しふとそう思う(笑)。
 しばらくして進海丸の漁の邪魔をしたという戸田丸の船員が店に放り込まれる。この二人が、あれは悪事じゃないと開き直ったり、タケシに脅されて渋々言いなりになったりするうちに、 サトルの漁師になりたいという話に巻き込まれる。そして進海丸の男たちの生き様に感化され、進海丸の一員のように振舞うようになっていく可笑しい役どころを演じる。 ついこの前までなら、「太鼓たたいて笛吹いて」の行商人のように、きっと阿南が演じていた役だなとひそかに思いながら見ていた。メリハリが効いてて、なかなか面白い。笑った。
 作品はありがちな物語だと思ったけど、さすがプロの役者さんたちの演技力なのか、ひとりひとり個性があって人格がしっかりしていて、 観ている自分も、その騒動をそばで傍観して楽しんでるような錯覚に陥る。ついにサトルが進海丸の乗組員になりたい本当の理由が明かされたとき、つい涙ぐんでしまった。 隣で見ていた母娘も、会場のあちこちからも、すすり泣く声が聞こえてきた。そして坂本は兄・ヒロシに、一本釣りのやり方をサトルに教えるように告げる。
 感動の余韻を残したままの終幕はお見事。会場もスタンドオベーション、拍手が鳴り止まず、出演者は二度登場。三度目は三宅健がひとり登場してようやく終わった。(大阪公演2日目昼公演)

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