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ウラン(U)のような大きな重い原子核は、さすがに陽子(p)の反発力が勝ってくるのか、分裂して軽くなりたいと不安定な状態(放射性同位元素)のものが多く存在します。
原子爆弾や原子炉で使われるウラン235(235U)に中性子(n)を吸収させると、2個の中性子(n)を放出しながら、イットリウム95(95Y)とヨウ素139(139I)に分裂します
(これは一例で、クリプトン92(92Kr)とバリウム141(141Ba)など、いろんな組み合わせがあります)。
このとき分裂前後の陽子(p)の数と中性子(n)の数の総和は変わらないのですが、分裂後の質量の総和が少しだけ軽くなります。これを「質量欠損」と呼びます。
この質量欠損によってなくなった質量はどこへいったのかというと、アインシュタインの特殊相対性理論で導かれた方程式 E=mc2 で計算されるエネルギーとなって放出されたということです。
この質量の差が核力の結合エネルギーの差であって、この差によって生まれる莫大なエネルギーこそが「原子力」です。
原子力発電はまさにこのエネルギーを利用しているわけです。
ウラン原子が核分裂で放出するエネルギーは約200MeVで、1グラムのウラン235(235U)がすべて核分裂を起こすと8,200万kJ(キロジュール)のエネルギーが生まれることになるそうです。
J(ジュール)はそのままW(ワット)に換算できますから、8,200万kW(キロワット)になります。これだけのエネルギーを放出する凄まじい分裂反応でも、陽子(p)と中性子(n)はバラバラにならないのですから、
核力がどれほどの強い力なのかってことですよね。まさに宇宙を動かしている根源の力だと思います。
アインシュタインの「エネルギーと質量の等価性」の式
エネルギー(E) = 質量(m)×光速度(c)の 2乗
失われた質量に光の速度(30万km/秒)の2乗したエネルギーが発生するというもの。広島原爆に積み込まれたウラン235は50kgとも60kgとも言われているが、
失われた質量は0.7gだといわれているそうです。逆に、エネルギーがあるところには物質が生じることもあり、宇宙が無から始まった理論の裏づけにもなっています。
なんだかよく分からないですけど、凄いことですね。
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