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原子力
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 原子力は危ない、怖い、恐ろしい…、っていうけど、そもそも原子力ってなんだ? …ということで、簡単にまとめてみました。
2011年 7月15日 赤沢富士男
■原子

原子モデル(惑星型)
図1.惑星型の原子モデル
 原子核の周りを電子の粒が回るイメージ
原子モデル(現在)
図2.現在の原子モデル
 量子の世界では電子も原子核もエネルギーの塊のような存在。電子は雲のように広がって存在している
1.惑星型原子モデル
 物質の究極の単位である原子は、陽子(p)と中性子(n)からなる原子核を中心に陽子(p)と同じ数の電子(e)が回っている(図1.惑星型モデル)…というものです。 これは、おそらく皆さんが想像している形で、それでいいと思います。実際の大きさの比率で書くと、原子核の大きさは、電子(e)の周回軌道の約10万分の1程度なので、 核は見えない(1μmくらいの大きさの)点になります。ほとんど空っぽのようなイメージです。ただ、このモデルだと、電子(e)がエネルギーを放出して原子核に落ちてしまって、 うまく説明できない現象があるのだそうです。
2.量子モデル
 つまり、実際の電子(e)や陽子(p)、中性子(n)の振る舞いは、粒子であると同時に波動(いわゆる電磁波)の性質を持っているということで、 これを「量子」と呼ぶのですが(この時点で三次元の感覚しかない我々一般人にはもうワケが分からないですが)、イメージとしては、電子(e)は原子核を包み込む雲のように広がって、 原子核も陽子(p)と中性子(n)が何だかモヤっとしてモソモソしているエネルギーの塊のような感じになると思います。
3.核の不思議(核力)
原子核(炭素12)の模式図
図3.原子核の模式図
 +電荷の陽子が反発しない不思議…これが核力
 電子(e)が原子核から離れていかないのは、電子(e)自身が−の電荷を持っていて、原子核の+の電荷を持っている陽子(p)と引き合っているからで、これは何となく理解できるのですが、不思議なのは原子核です。 +の電荷を持った陽子(p)がどうして反発もせず、狭い原子核の中に収まっているのでしょうか。それには、難しい量子力学の話をしなければならなくて、 私には到底無理なので省略しますが、要するに、反発する陽子(p)を束ねている大きな力が存在しているんです。この力を「核力」といいます。この力はとても強烈なものですが、原子核の中でしか働きません。 そして、核力には中性子(n)が欠かせない存在になっています。
 もう一度書きますね。陽子(p)同士の反発力さえ閉じ込めてしまう強烈な力、核力が原子核の中にあります。この力は言うまでもなく、煮たり焼いたり叩いたりしたぐらいではまったく壊れません。
■原子力

核分裂反応の模式図  ウラン(U)のような大きな重い原子核は、さすがに陽子(p)の反発力が勝ってくるのか、分裂して軽くなりたいと不安定な状態(放射性同位元素)のものが多く存在します。 原子爆弾や原子炉で使われるウラン235(235U)に中性子(n)を吸収させると、2個の中性子(n)を放出しながら、イットリウム95(95Y)とヨウ素139(139I)に分裂します (これは一例で、クリプトン92(92Kr)とバリウム141(141Ba)など、いろんな組み合わせがあります)。 このとき分裂前後の陽子(p)の数と中性子(n)の数の総和は変わらないのですが、分裂後の質量の総和が少しだけ軽くなります。これを「質量欠損」と呼びます。
 この質量欠損によってなくなった質量はどこへいったのかというと、アインシュタインの特殊相対性理論で導かれた方程式 E=mc2 で計算されるエネルギーとなって放出されたということです。 この質量の差が核力の結合エネルギーの差であって、この差によって生まれる莫大なエネルギーこそが「原子力」です。 原子力発電はまさにこのエネルギーを利用しているわけです。
 ウラン原子が核分裂で放出するエネルギーは約200MeVで、1グラムのウラン235(235U)がすべて核分裂を起こすと8,200万kJ(キロジュール)のエネルギーが生まれることになるそうです。 J(ジュール)はそのままW(ワット)に換算できますから、8,200万kW(キロワット)になります。これだけのエネルギーを放出する凄まじい分裂反応でも、陽子(p)と中性子(n)はバラバラにならないのですから、 核力がどれほどの強い力なのかってことですよね。まさに宇宙を動かしている根源の力だと思います。
アインシュタインの「エネルギーと質量の等価性」の式

エネルギー(E) = 質量(m)×光速度(c)の 2乗

 失われた質量に光の速度(30万km/秒)の2乗したエネルギーが発生するというもの。広島原爆に積み込まれたウラン235は50kgとも60kgとも言われているが、 失われた質量は0.7gだといわれているそうです。逆に、エネルギーがあるところには物質が生じることもあり、宇宙が無から始まった理論の裏づけにもなっています。 なんだかよく分からないですけど、凄いことですね。
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