とは言っても、140京トンと言えば相当な量ですよね。では、コップ1杯(200ml)に含まれているセシウム137の1g(原子の数は約440,000京個=アボガドロ数÷原子量)を希釈していきましょう。
10希釈回数 |
水量 |
Cs137原子数 |
1 回目 |
2,000 ml |
44,000 京個 |
2 回目 |
20 L |
4,400 京個 |
3 回目 |
200 L |
440 京個 |
4 回目 |
2,000 L |
44 京個 |
5 回目 |
20 t |
44,000 兆個 |
6 回目 |
200 t |
4,400 兆個 |
7 回目 |
2,000 t |
440 兆個 |
8 回目 |
20,000 t |
44 兆個 |
9 回目 |
20 万t |
44,000 億個 |
10 回目 |
200 万t |
4,400 億個 |
11 回目 |
2,000 万t |
440 億個 |
12 回目 |
20,000 万t |
44 億個 |
13 回目 |
20 億t |
44,000 万個 |
14 回目 |
200 億t |
4,400 万個 |
15 回目 |
2,000 億t |
440 万個 |
16 回目 |
20,000 億t |
44 万個 |
17 回目 |
20 兆t |
44,000 個 |
18 回目 |
200 兆t |
4,400 個 |
19 回目 |
2,000 兆t |
440 個 |
20 回目 |
20,000 兆t |
44 個 |
21 回目 |
20 京t |
4 個 |
22 回目 |
200 京t |
0 個 |
はからずも10倍希釈22回目でセシウム137の原子は無くなりましたが、必要な水量は地球の総水量を超えてしまいました。1gのセシウム137の無害化は辛うじて成し遂げられそうですが、
これには私や皆さんの身体の水分も地下水もすべて使ってのお話ですからね、やはり勘弁して欲しいと思います。
仮に、現実にこれを実践しようと思えば、巨大なタンカーを使って出来る限り薄めた状態(これでもかなり高レベルのような気がしますが…)で、
全世界の海洋に出かけていって、出来る限りまんべんなく撒くという作業をしなければならないのではないかと思います。これはさすがに近隣諸国の反発を買うでしょうね。
…で、福島第一原発から直接放流するとなると、地球の総水量に匹敵する水で薄めてから少しずつ流すというような作業を、
とてつもなく永〜〜〜い時間をかけて行うことになるのではないでしょうか。結局、それまでどこかに保管しなければならないので現状
(福島第一原発近海はすでに高いレベルで汚染されてしまってますし)とはなんら変わらないような気がするのですが…。
すでに海を汚染している時点で議論の余地はないと思いますけど、どうなんでしょうか。
もとより、原発から放出されている放射性物質はセシウム137だけではありませんから、海で薄めて無害化する案は、私は承服致しかねます。
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