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No Nuclear Power Plant
高校時代の考え(原発反対!)
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茜武人小辞典 第2弾  私が高校時代にペンネーム「茜武人(あかねたけひと)」として、出版を目指すわけでもなく、好き勝手なことを、ノートに書いては近くの友人に読ませて自己満足していた時期がありました。 そのノートに「原発反対!」の記事を見つけましたので、紹介してみたいと思います。
 これはアメリカのスリーマイル島原発事故(1979年3月28日)を受けて、1979年(17才)の夏頃に書いたものだと思います。次が敬老の日(9月15日)に書いている記事だとわかるので、それまでに書いた記事であることは間違いないと思います。 ちょっと恥ずかしい気もするのですが、文章そのまま掲載します。
2012年12月10日公開 赤沢富士男
原発反対!
 ついこの間、アメリカで起こった原子力発電所での事故、放射能の恐ろしさは日本人には身にしみる程...いや、それ以上に理解っている。 白血球の増加、血小板の不足、全身にあらわれる紫色の斑点。血小板の不足のために血が止まらない。やがておとずれる死。 原子力発電所の建設、あるいは操業を反対するのは当然のことである。 しかし、省エネルギー時代に突入した現在、現実は原子力発電所の増設を推し進めなければならない状態におかれている。 人々は、このジレンマとも思える板ばさみに立たされ、なすすべがないのであろうか。エネルギーの節約、これは現在の第一に考えるべき当然の課題である。 しかし、それでも石油にたよるエネルギーに対して、それを乗り切ることは不可能である。それではエネルギー源を原子力にたよるしかないのであろうか。 結論は、今のところないのである。今のところとつけ加えたのは、現在、最も効率のよいエネルギー燃料が原子力だからである。
 物質は、アインシュタインの相対性理論で述べられている式 E = mc2 で与えられるエネルギーを得ることができる。 物質1gをすべてエネルギーに変換することができれば、9×1020エルグ≒2.1×1013カロリー、なんと20兆カロリーのエネルギーを得ることができる。 これは石炭約300億トンを燃焼するのに等しい。実際の原子力、つまり核分裂の効率は0.1%であるから、事実はその1000分の1である。 が、それでも1gに対し200億カロリーのエネルギーを得ることができる。これ程効率のいい燃料は他にない。
 では、放射能の問題に目をつぶって原子力を受け入れようか。いやいやその問題はどうしても目をつぶるわけにはいかない。難しい問題だ。
図:核融合反応の一例  ところで同じ原子力でも核融合の話はまだしていなかった。核分裂核融合はどう違うのか。 簡単に説明すると、核分裂は重い原子(たとえばウラン、ラジウムなど)が、いくつかに分裂して軽い原子に変わる反応のことで、核融合は軽い原子(たとえば水素、ヘリウムなど)が、融合することによって思い原子に代わる反応のことである。
 さて、どうしてわざわざ核融合の話を最後にまわしたか…、それは核融合反応によるエネルギーが未来エネルギーの主要を成すであろうからである。
 核融合による効率は、核分裂のそれの約10倍であり、燃料1gより得られるエネルギーが約千億カロリーに達するからで、しかも放射能を放出しないことにあるからである。さらに核融合に使われるとする重水素は海水中にゴマンと存在するからである。 しかし、なぜ核融合を使った原子力発電所がもっと早く建設されなかったか。いや、されていないのか。それは核融合は、そのコントロールが難しく、まだ研究段階だからである。 まず、プラズマの状態にして、それを磁場によってコントロールするシステムになるが、プラズマにするために10億度以上、圧力も150気圧以上とする必要がある。
 この条件を満たす磁場を作るために用いられるコイルは1mあたり、なんと数億円もする。 このため、もし実用化されてもコストが非常に高く、その段階では実際にその点が問題になるであろう。どちらにしても、まだまだ研究段階、いや実験段階まで進んでいるが、早く実用化されることが非常に望まれている。
 ところで、今度から「原発反対!」ではなく「核分裂による―――」を付け加えて反対をとなえよう。
核融合反応も問題だらけ
実験核融合炉の図 (ここからは、現在の私が書いています)
 核融合反応は、ウランやプルトニウムに見られる連鎖反応系を持たないため、暴走する心配がなく、また放射線も核分裂反応に比べてわずかであることから、安全な原子力だと、その時の私は思ったみたいです。
 核分裂が連鎖反応によって勝手に燃えていくのに対して、核融合はエネルギーを加えて燃やす必要があるので、原子炉を停止するという意味は文字通り完全停止することを意味するので、核分裂反応よりははるかに安全に思えます。
 ただ、この「安全な…」というのはあくまでも「核分裂反応に比べて」と解釈したほうがいいと思います。上の「核融合反応の一例」の図を見ればお分かりだと思いますが、中性子が生じています。 中性子はそれだけで立派な放射線です。また、電荷を持たないため、磁場で隔離することはできませんので、原子炉の外へ出てきます。 その対策として、原子炉の周りをリチウムで覆って中性子を減速させる技術を用いるそうですが、それでも一部の中性子が漏れ出ることは抑えられないみたいで、この中性子線がいろいろな問題を引き起こします。 そのひとつが原子炉の材質を脆くさせることです。中性子線が原子核にぶつかると、その核種が変化します。本来の容器としての性質が保てなくなることを意味します。 また、放射化という現象も起きます。つまり放射能を持たなかった原子が、放射性原子に変化することがあるということです。核融合炉自体が将来、放射性廃棄物になることを意味します。 さらに核融合反応の燃料として考えられている三重水素(3H)は放射性物質なので、その管理を厳重にする必要があります。
 このように核分裂反応ほど深刻ではないにしても、それと同じように放射性廃棄物の問題をはじめとする放射線の問題があるので、私たちが想像する安全というレベル内の話なのかどうかは疑問に思います。
※原子炉図は国際熱核融合実験炉のもを使用しています
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