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被曝線量 |
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「ただちに健康に影響はない」…これは言い換えれば「いつか健康上の影響が出るかも知れない」ということで、政府が前者を選んで福島周辺の人たちを被曝させたことに対して私は憤りを感じました。
最初の爆発(1号機の水素爆発と言われた事象)の映像を見た時、とても安心できる状況じゃないと、私が思ってしまったからではあるのですが…。
後者を選んだら、それこそ「ただちに」大勢の人たちを避難させなければならないのですから、その決断は並大抵のことではないと思います。
でもやはり、チェルノブイリ原発事故を教訓とするなら、やはり後者で行動するべきではなかったかと私は今でも思っています。 さて、放射線に被曝した時、どのような影響があるのでしょうか。そのことについて私が調べたことをまとめてみました。単位が微妙に変わります。注意して見てくださいね。 2011年 6月25日 赤沢富士男
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■0.05mSv/y(ミリシーベルト/年) | |
「原子力発電所の事業所境界での1年間の線量」とされています。これがどういう意味をもつ数値なのか、探してみましたが見つかりませんでした。
自然被曝線量2.4mSv/y(後述)の50分の1…原発からはほとんど影響のないレベルしか許さないという意味なんでしょうね。 | |
■0.2mSv(ミリシーベルト/回) | |
「東京とニューヨーク間を航空機で1往復の線量。」とされています。飛行機は高い高度を飛ぶことで宇宙に近づきます。その分、宇宙線量が多くなるため被曝量が増えます。 | |
■0.1〜0.3mSv(ミリシーベルト/回) | |
「胸部X線撮影1回分の線量」とされています。幅があるのは、照射する線量を体格に応じて変えるからですね。
さて、この意義について調べてみると興味深いことが分かりましたので、少し書いておきます。 国際放射線防護委員会(ICRP)が決めた1年間の許容線量は1mSv/yです。胸部は身体の約半分なので実際の被曝線量は半分になるという考え方があります。 この考え方を採用すると、上の数字は0.05〜0.15mSvに書き換えることになります。 では、これを基準に考えると、(胸部X線に限って言えば)1年間に撮影できる回数は5〜20回までとなります。 しかし、病院の放射線科の被曝についての説明を見ますと、1mSv/yが基準ではなく、白血病やがんの発生が心配される線量200mSv/y (ICRPの表記は100mSv/yですがX線撮影は身体の半分なので倍にする?)と比べることが多いように思いました。施設によっては1000mSv/yを持ち出していました。 安心させるには十分な基準と言えますが、これでいいのだろうか?…と、私は思ってしまいました。 | |
■1mSv/y(ミリシーベルト/年) | |
「一般公衆が1年間にさらされてよい人工放射線の限度(ICRPの勧告)」と、
あわせて「放射線業務につく人(放射線業務従事者)(妊娠中の女子に限る)が妊娠を知ったときから出産までにさらされてよい放射線の限度」とされています。
これを1時間当たりに換算すると0.11μSv/h(マイクロシーベルト/時)になります。いま、いろんなサイトでそれぞれの地域の放射線量が公開されています。
そのほとんどが「μSv/h(マイクロシーベルト/時)」という単位で表記されていると思いますので参考にしてみてください。 さて、この国際的に決められた年間1mSv(ミリシーベルト)という基準なんですが、広島と長崎の原爆被害をもとに決められたと記憶しています。 そして、一応決められた1mSv/y(ミリシーベルト/年)の基準でこれまでやってきて、どうやら問題なさそうだ…ということで、国際的に定着しているようです。 原子力委員会は福島県内の児童に対して、緊急時限定措置とは言え、この基準を20mSv/yに引き上げてしまいました。 被曝線量については、積算されるというのが一般的な考え方のようです。たとえば常に人工放射線0.2μSv/hに晒されている環境にいた場合、1年間で約1.8mSvになり、 この基準を超えることになりますので、その環境は改善しなければならないということになります。なお、日本政府はICRPの勧告を受け入れてはいないとのことです。 | |
■1.4mSv/y(ミリシーベルト/年) | |
日本の自然放射線による年間被曝線量の平均値としてよく登場する数値です。現在では約1mSv/yとしているデータもあります。 自然界にはもともと存在している放射性同位元素がいたるところにあります。普段生活している間に、空気中や食べ物から、地面(地中)、宇宙(宇宙線)から、 放射線を浴びています。これらをまとめて自然放射線といいます。日本は地質の違いで西高東低の傾向があるようですが、平均すると約1.4mSv/yの自然被曝を受けているということです。 | |
■2mSv(ミリシーベルト/回) | |
「広島における爆心地から12km地点での被曝量。12kmまでの直接被爆が認定されると、原爆手帳が与えられる。」とされています。1回の被爆(原爆の被害の意味で「被曝」と区別します)で受けた放射線量です。 爆心地の放射線量はガンマ(γ)線が103Sv、中性子線141Sv、爆心地500m地点ではガンマ(γ)線が28Sv、中性子線31.5Svと推定され、この圏内にいた人は放射線致死量を浴びており、 即死(ないし即日死)〜1ヶ月以内に大半が死亡。爆心地5km以内にいた人は急性放射線症を発症したとされています。6Sv以上の放射線を受けた人は腸管障害で大半が1ヶ月以内に死亡したとされています。 | |
■2.4mSv/y(ミリシーベルト/年) | |
「一年間に自然環境から人が受ける放射線の世界平均」とされています。日本は1.4mSvとこの平均値より小さいですから、逆に高い場所もあるわけです。
その引き合いによく出てくるブラジルはウランやトリウムを含むモナザイトが多いため環境放射線量は10mSv/yもあります。 だから、福島原発事故の放射線量がブラジルより低いんだから騒ぎ立てる必要はないと言うひとがいるようですが、原発事故で問題になるのは「死の灰」と呼ばれる放射性物質が目に見えないチリの状態で 空気中や地表に存在していることです。これを体内に取り込んでしまうと内部被曝と言い、ブラジルの環境放射線の外部被曝とは比較にならないほどの問題を引き起こします。 外部被曝はその場所から離れることで防御できますが、内部被曝は放射線から逃れられなくなるからです。また内部被曝は放射線量を測定しにくいという問題もあります。原発事故は厄介だと思います。 | |
■5mSv/3m(ミリシーベルト/3ヶ月) | |
「放射線業務従事者のうち妊娠可能な女子が法定の3か月間にさらされてよい放射線の限度」とされています。年間に換算すると20mSv/yになりますが、どうなんでしょうか。 | |
■7〜20mSv(ミリシーベルト/回) | |
「X線CTによる撮像1回分の線量。」とされています。確かにたくさんの画像を撮りますからね。ICRPの勧告の限度量20年分になることがあるわけですね。 | |
■10mSv/y(ミリシーベルト/年) | |
「ブラジル・ガラパリで1年間に自然環境から1人が受ける自然放射線。」とされています。ウランやトリウムなどの放射性同位元素を含むモナザイトが砂浜を形成し、
その放射線が関節痛に効くと、日本の湯治のように人気があったそうですが、福島原発事故のあと敬遠され、今は閑散としているとか・・・。 | |
■13〜60mSv/y(ミリシーベルト/年) | |
「1日1.5箱のタバコを吸う喫煙者の年間の線量 (タバコの葉に含まれるラジウム226、鉛210、ポロニウム210等からの放射線)」とされています。私は喫煙経歴(禁煙して約10年)がありますが知らなかった。
東北のほうでも栽培されているようなので、福島原発の影響でこの数値が上がるかも(?)ですね。これを持ち出して、おとうさんの禁煙を勧めてみてはいかがでしょうか? | |
■50mSv/y(ミリシーベルト/年) | |
「放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)が1年間にさらされてよい放射線の限度。」とされています。病院で働く放射線技師や原発の作業員もこれに該当します。
仕事とは言え、一般人の50倍の放射線量まで許容されるなんて、なんだか大変そうです。 | |
■100mSv/y(ミリシーベルト/年) | |
「将来の白血病やがんの発生確率に影響があるとほとんどの学者が認める放射線量。」
「放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)が法定の5年間にさらされてよい放射線の限度。」
「放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)が緊急作業でさらされてよい放射線の限度。妊娠可能な女子には緊急作業が認められていない。」とされています。 福島原発事故でも当初、作業員の緊急時の放射線限度を100mSv/yとすると言っていました。その数値です。100mSv/yでも安全とする学者の意見もありますが、 この基準はあくまでも年間の限度量で、事故対応では短期間に被曝する例が多く、100mSv/y以下でもがんの発生を認めるとする意見もあるようです。 | |
■250mSv(ミリシーベルト/回) | |
「白血球の減少。」「福島第一原子力発電所事故の処理にあたる放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)がさらされてよいと特例で定められている放射線の限度。」とされています。
福島原発の放射線量があまりに高すぎて、100mSv基準では作業できないことから、福島原発事故対応への限定措置として設定された、まさに我慢の基準です。
この事故がいかに深刻かを物語っていると思います。 | |
■500mSv(ミリシーベルト/回) | |
「リンパ球の減少。」「国際放射線防護委員会による人命救助を例外とする上限。」とされています。
リンパ球は免疫機能の要(かなめ)を担う細胞です。これが障害を受けると、あらゆる感染症、がんに罹りやすくなることを意味しています。
さすがに人命救助を優先に…と言えども、これが限界のようです。 | |
■1000mSv(ミリシーベルト/回) | |
「急性放射線障害。悪心(吐き気)、嘔吐など。水晶体混濁。」とされています。細胞の死(障害)が中心になって引き起こされる症状で、
細胞分裂の盛んな細胞ほど障害を受けやすいことから、そうした器官の症状となって現れます。また、子供は大人の5倍〜10倍放射線の影響を受けやすいと言われていますから、
こうした症状が早く出てしまうかも知れません。 | |
■2000mSv(ミリシーベルト/回) | |
「出血、脱毛など。5%の人が死亡する。」とされています。 | |
■3000〜5000mSv(ミリシーベルト/回) | |
「50 %の人が死亡する (人体局所の被曝については、3,000mSv:脱毛、4,000mSv:永久不妊、5,000mSv:白内障・皮膚の紅斑)」とされています。 | |
■7000〜10000mSv、10000以上mSv(ミリシーベルト/回) | |
「99 %の人が死亡する。ただし、頭部や胴体ではなく手足のみに被曝をした場合は、手足の機能に障害 (熱傷等) が出る。」とされています。 |
図・写真はWikipedia、Microsoftクリップアートのものを使用しています |
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