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No Nuclear Power Plant
広島は住めるけどチェルノブイリは住めない
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ウクライナ・プリピャチ市内
ウクライナ・プリピャチ市内
 いまはあまり聞かなくなりましたが、放射能汚染にからむ発言で、「原爆で被害を受けた広島は100年住めなくなると言われたが、今は知っての通り人が住んで問題がない。」 …だから福島だってすぐに住めるようになるんだよ…とでも言いたいのだと思いますが、これもとんでもないごまかしで、原子爆弾と原子力発電所事故の放射能汚染はまったく別物だと思います。 チェルノブイリでは今も人が住めない状況が続いているように、避難を余儀なくされた福島の方たちの心痛をさておいてしまって申し訳ないのですが、 こんなコメント自体報道するような話ではないと(ちょっと考えれば分かるように)思うのですが・・・なんでなんですかね。 また、こんなごまかしが(とくにマスコミから)出てくるといけないので、原爆と原発の放射能汚染の違いについて書いておきたいと思います。
2011年11月23日 赤沢富士男
核分裂するウラン量が桁違い!
核分裂するウラン量は原爆が1kg、原発は1t
 広島の原子爆弾に使われたウラン(核分裂ウラン235は約90%)は約50kgだといわれていますが、その炸裂が激し過ぎるあまり、実際に核分裂したウランは約1kgで、残りは吹き飛ばされたといわれています。たった1kgで、あの爆裂は驚きです。人類はとんでもないものを作り出しました。 吹き飛ばされたウランは元のまま(濃度は濃いけれども)ある意味、地面に戻ったわけですが、核爆発を起こした1kgのウランは14万人の命を奪い、その後も白血病や甲状腺がん、火傷の後遺症(ケロイド)などでたくさんの人を苦しめることになりました。
 一方、100万キロワット/時の原子力発電所で年間に使われるウラン燃料は、年間30t(トン)といわれています(注:1tは1kgの1000倍)。こちらは核分裂するウラン235の濃度は3%ですので、年間1tのウランが核分裂したことになります。 1年かけてとはいえ、なんと広島原爆の1000倍の核分裂が1基の原子炉内で起こっていることになります。1日あたりだと2.5倍ですから、1基の原子炉内で広島原爆2.5個分の核分裂が毎日起こっている計算になります。そして国内には50基以上の原子炉があります。 毎年作られる核分裂生成物の量は広島原爆の比ではない、比べること自体がおかしいということになると思います。
 また、原爆では、爆風によって核分裂生成物も吹き飛んでしまったでしょうから、その一瞬に出来たウラン235の核分裂生成物だけだったと思います。 多少のプルトニウムも生まれたかも知れませんが、もとになるウラン238の割合も少ない(約10%)ですし、たくさんは出来なかったと思います。 一方、原発の場合はゆっくり分裂させていきますから、まわりにあるウラン238から出来たプルトニウムやウラン235の核分裂によってできた核分裂生成物、それ自体の核崩壊などの相互作用によって、原爆とは比較にならないほどのたくさんの放射性核種ができると思います。 こう考えると、これも広島原爆の場合とは比較にならないほどの核種の数もその量も、きっと多いだろうと思うのです。
 広島、長崎があれほどの核爆発を起こしたのに、現在では人が住み栄えているのに対して、福島第一原発事故での放射能汚染が全国に及んでいるのは、このように見れば当然なのかも知れません。 セシウムの量でみれば、福島第一原発からの放射能拡散は広島原爆の168倍…この数字も驚きですが…というのは、もしかすると控えめな発表なのかも知れません。
※写真はWikipediaのもを使っています
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