FujiMan Production - 原発は要らない -
No Nuclear Power Plant
日本の原発
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 1942年、シカゴ大学で実験炉内での核分裂連鎖反応に成功したことを受けて原子力エネルギーの利用が始まりました。 原子力発電も1951年の実験炉から始まり、現在に至っていますが、原発が抱える問題(放射線対策、事故発生の影響大、事故施設への接近困難、 放射性廃棄物の処分、テロの標的など)が明らかになり、原子力撤廃の流れも起こりましたが、化石燃料の枯渇と炭酸ガス排出規制の機運が高まると、 その切り札として原発建設の推進に傾いていました。そして2000年に入り、鋼材高騰の影響で、原発は政府の支援なしに語れない状況になったと言われています。
 現在、アメリカ(運転中の基数で1位)、フランス(2位)、日本(3位)をはじめ、30カ国余り、南極、オーストラリアを除く全大陸に430基以上が運転状態にあり、計画中のもを含めると530基以上になるようです。 日本には稼働中の原発が17箇所54基あります。
 以下は私なりにまとめたものです。事象(原子力発電所での事故はこう呼ぶ)については放射能に関連するものを中心にピックアップしてみました。
2011年 6月17日 赤沢富士男
■北海道電力

泊発電所 泊発電所(3基)
 積丹半島の先、古宇(ふるう)郡泊村大字堀株(ほりかっぷ)村にあり、3基の原子炉(加圧水型軽水炉)があります。1号機は1989年6月、2号機は1991年4月、3号機は2009年12月に営業運転を開始、 3号機はプルサーマル計画を進めているようです。プルサーマルでは燃料ウランを使った時に出来るプルトニウムも燃料として使います。
 泊原発では、2010年3月と2011年1月に定期検査中の作業員が少量の放射性物質で被爆する事故が発生しています。
■東北電力

東通原子力発電所 東通原子力発電所(1基)
 太平洋に面した下北半島、青森県東通村にあり、1号機と呼ばれる1基の原子炉(沸騰水型軽水炉)があり2005年12月に営業運転を開始しました。2号機は2016年着工予定のようです。
女川原子力発電所 女川原子力発電所(3基)
 女川湾に面した宮城県牡鹿郡女川町にあり、3基の原子炉(沸騰水型軽水炉)があります。1号機は1984年6月、2号機は1995年7月、3号機は2002年1月に営業運転を開始しています。 現在、東北地方太平洋沖地震で3基とも停止中です。
 女川原発では、2010年12月、燃料棒から放射能が漏れる事故が発生しています。
■東京電力

福島第一原子力発電所 福島第一原子力発電所(6基)
 現在、世界が注目する場所、太平洋に面した福島県双葉郡大熊町にあり、6基の原子炉(沸騰水型原子炉)があります。1号機は1971年3月、2号機は1974年7月、3号機(プルサーマル)は1976年3月、 4号機は1978年10月、5号機は1978年4月、6号機は1979年3月に営業運転を開始しました。1号機から4号機は廃炉が決定しています。7号機、8号機の計画がありましたが、事故の影響を受け中止が決定されました。
 福島第一原発では、1978年11月に日本初の臨界事故が3号機で発生していますが、なんとこの事故が報告されたのは2007年3月になってからだそうです。 1990年9月に同じく3号機で原発の事象評価レベル2の事故が発生。2010年6月、2号機で電源喪失・水位が低下する事故が発生しています。
福島第二原子力発電所 福島第二原子力発電所(4基)
 太平洋に面した福島県双葉郡楢葉町にあり、4基の原子炉(沸騰水型原子炉)があります。1号機は1982年4月、2号機は1984年2月、3号機は1985年6月、4号機は1987年8月に営業運転を開始しています。 福島第一原発と同様、地震直後に原子炉の冷却機能が失われましたが、その後すべての原子炉で冷温停止が確認され、安全が確保されたと発表されました。
 福島第二原発では1989年1月に、原子炉内再循環ポンプの回転翼の破損により、長期間発電所を停止する事故が発生しています。
柏崎刈羽原子力発電所 柏崎刈羽原子力発電所(7基)
 日本海に面した新潟県柏崎市にあり、7基の原子炉(沸騰水型軽水炉)があります。1号機は1985年9月、2号機は1990年9月、3号機は1993年8月、4号機は1994年8月、5号機は1990年4月、 6号機は1996年11月、7号機は1997年7月に営業運転を開始しています。
 柏崎刈羽原発では、2007年7月16日に発生した新潟県中越沖地震で運転中の原子炉がすべて緊急停止しましたが、6号機で放射性物質を含む少量の水が漏洩し、 7号機から放射性ヨウ素約3.12億レクベルが排気筒から放出された事故が発生しています。
東通原子力発電所 東通原子力発電所(計画中)
 東北電力と同じ、青森県東通村にあり、2基の発電所(沸騰水型軽水炉)の計画中で、1号機は変更がなければ2011年1月着手したようです。2号機は2014年以降に着工予定のようです。
■北陸電力

志賀原子力発電所 志賀原子力発電所(2基)
 日本海に面した石川県羽咋郡志賀町にあり、2基の原子炉(沸騰水型軽水炉)があります。1号機が1993年7月、2号機が2006年3月に営業運転を開始しました。 原子炉の運転は東北地方太平洋沖地震の前から2基とも停止しており、現在も停止のままのようです。
 志賀原発では、1999年6月に定期検査中に臨界事故が発生しましたが、これを報告しなかったばかりか検査データを改竄、隠蔽を計りました。2007年3月に明るみに出ました。
■中部電力

浜岡原子力発電所 浜岡原子力発電所(3基)
 太平洋に面した静岡県御前崎市にあり、5基の原子炉(沸騰水型)があります。1号機(1976年3月運転開始)と2号機(1978年11月運転開始)は2009年1月に運転を終了し廃炉に、 3号機は1987年8月、4号機は1993年9月、5号機は2005年1月に営業運転を開始しましたが、現在、首相の要請により全原子炉が停止しています。
 浜岡原発では、2001年11月に1号機で原子炉からの水漏れ事故が発生しています。2009年12月には3号機で放射性廃液が漏れる事故があり、作業員34人が被爆しています。
■関西電力

美浜発電所 美浜発電所(3基)
 若狭湾に面した福井県三方郡美浜町にあり、3基の原子炉(加圧水型軽水炉)があります。1号機は1970年11月、2号機は1972年7月、3号機1976年6月に営業運転を開始しています。
 美浜原発では、1973年3月に1号機にて核燃料棒が破損する事故が発生しましたが明らかにせず、内部告発によって明るみに出ました。この事故を原子力委員会が認めたのは1976年12月だったようです。 1991年2月、2号機において緊急炉心冷却装置が作動する事故が発生し、微量の放射性物質が外部に漏れました。2004年8月には、被爆事例ではないものの、冷却系復水配管からの蒸気漏れにより、 作業員が5名が死亡、6人が重軽傷を負う事故が発生しています。
大飯発電所 大飯発電所(4基)
 若狭湾に面した福井県大飯郡おおい町にあり、4基の原子炉(加圧水型軽水炉)があります。1号機は1979年3月、2号機は1979年12月、3号機は1991年12月、4号機は1993年2月に営業運転を開始しています。
高浜発電所 高浜発電所(4基)
 若狭湾に面した福井県大飯郡高浜町にあり、4基の原子炉(加圧水型軽水炉)があります。1号機は1974年11月、2号機は1975年11月、3号機は1985年1月、4号機は1985年6月に営業運転を開始しています。
 高浜原発では、1999年、3号機に使用予定だったMOX燃料ペレットにデータ改ざんが発覚しています。
■中国電力

島根原子力発電所 島根原子力発電所(2基)
 日本海に面した島根県松江市鹿島町にあり、2基の原子炉(沸騰水型軽水炉)があります。1号機は1974年3月、2号機は1989年2月に営業運転が開始されています。 現在建設中の3号機は2012年3月運転開始予定になっています。
 島根原発では、重大な事故はなかったものの、2010年4月、点検、検査報告書に、たくさんの誤りや記入漏れがあったことを、 経済産業省原子力安全・保安院と島根県、松江市に対し報告したという事例があります。
■四国電力

伊方発電所 伊方発電所(3基)
 四国の西北端から九州に向かって細長く伸びた佐田岬半島の付け根の瀬戸内海側・愛媛県西宇和郡伊方町にあり、3基の原子炉(加圧水型軽水炉)があります。1号機は1977年9月、2号機は1982年3月、3号機は1994年12月に営業運転が開始されています。
 伊方原発では、重大な事故はないようです。
■九州電力

玄海原子力発電所 玄海原子力発電所(4基)
 玄界灘に面した佐賀県東松浦郡玄海町にあり、4基の原子炉(加圧水型軽水炉)があります。1号機は1975年10月、2号機は1981年3月、3号機は1994年3月、4号機は1997年7月に営業運転が開始されています。
 玄海原発では、2010年12月、3号機の燃料棒に穴が生じて放射性物質の漏洩が確認されました。定期点検を前倒しして原子炉を停止して検査中とのことです。

川内原子力発電所 川内原子力発電所(2基)
 東シナ海に面した鹿児島県薩摩川内市にあり、3基の原子炉(加圧水型軽水炉)があります。1号機は1974年7月、2号機は1985年11月に営業運転が開始されています。 3号機が現在計画中となっているようです。
 川内原発では、被爆事故ではありませんが、2010年1月、1号機においてアース取り付け作業時に作業員が火傷を負い死亡する事故が発生しています。
■日本原子力発電

東海第二発電所 東海第二発電所(1基)
 太平洋に面した茨城県那珂郡東海村にあり、1基の原子炉(沸騰水型軽水炉)が1978年11月に運転を開始しています。
 東海第二原発は、日本初の商用原発・東海発電所の後継施設に当たります。東海発電所は1965年5月に運転を開始、1998年3月に運転を停止し、原発解体も日本初ということで、 そのデータが蓄積されているらしいです。東海第二原発では、2010年5月に配水管の誤接続により管理区域外への放射性物質を放出したことを報告しています。 また、2011年3月の東北地方太平洋沖地震後に、地震が直接の原因ではないながら、放射性物質を管理区域外に放出する事例が発生しています。

敦賀発電所 敦賀発電所(2基)
 敦賀湾に面した福井県敦賀市明神町にあり、2基の原子炉があります。1号機(沸騰水型軽水炉)は1970年3月に、2号機(加圧水型軽水炉)は1987年7月に営業運転を開始しています。 現在、3号機、4号機が建設中にあります。
 敦賀原発では、1981年4月に海草から異常に高い放射能が検出せれる事象がありましたが、後に、前月に放射性廃液がタンクから溢れ出る事故が発生していたことを 隠蔽していたことが判明しました。2010年7月、1号機で再循環ポンプなどの溶接部分について点検が一度も行われていなかったことが発覚。 2011年4月、1号機で複数ある緊急炉心冷却システムの1つが機能しない状態で約1か月間運転していたことが発覚。2011年6月、2号機で放射性ガス漏れの原因となった配管の点検を行っていなかったことが判明しています。
■日本原子力研究開発機構

もんじゅ もんじゅ(1基)
 敦賀半島の若狭湾に面した福井県敦賀市にあり、1基の実験原子炉(ナトリウム冷却高速増殖炉)が1991年から試験運転を開始しています。
 もんじゅは、冷却システムに水ではなくナトリウムを用いるという特徴があります。1995年にこのナトリウムが漏洩し火災が発生する事故があり、 長い間運転が止まっていましたが、2010年5月運転を再開しました。
 ところで、ナトリウムって、水に触れるとどうなるかご存知ですか?
 こうなります(クリックしてください)

■まとめ

電力会社 原子力発電所 1号機 2号機 3号機 4号機 5号機 6号機 7号機
北海道 1989.6 1991.4 2009.12



東北 東通 2005.12





女川 1984.6 1995.7 2002.1



東京 福島第一 1971.3 1974.7 1976.3 1978.10 1978.4 1979.3 中止
福島第二 1982.4 1984.2 1985.6 1987.8


柏崎刈羽 1985.9 1990.9 1993.8 1994.8 1990.4 1996.11
1997.7
東通 建設中 計画中




北陸 志賀 1993.7 2006.3




中部 浜岡 廃炉 廃炉 1987.8 1993.9 2005.1

関西 美浜 1970.11 1972.7 1976.6



大飯 1979.3 1979.12 1991.12 1993.2


高浜 1974.11 1975.11 1985.1 1985.6


中国 島根 1974.3 1989.2 建設中



伊方 島根 1977.9 1981.8 1994.12



九州 玄海 1975.10 1981.3 1994.3 1997.7


川内 1974.7 1985.11 計画中



日本
原子力発電
東海第二 1978.11





敦賀 1970.3 1987.7 建設中 建設中


日本原子力
研究開発機構
もんじゅ 1991





〜1970年
 
1970年代
18基
1980年代
14基
1990年代
15基
2000年〜
5基
凡例:運転開始年代(色分け)


写真はWikipediaに掲載されている(一部電力会社HPの)ものを使用しています
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