FujiMan Production - 原発は要らない -
No Nuclear Power Plant
暫定基準
トップページ原発は要らない> 暫定基準

食肉流通のイメージ写真  暫定基準値を超えた放射能に汚染された牛肉が全国各地で見つかりました。しかもちゃんと消費者の胃袋におさまってしまったようです。 こういう時、相変わらず「ただちに健康に問題はない」と繰り返す専門家が放送されますが、不安を助長させないつもりのコメントなのでしょうが、 マスコミといい、意見を述べている専門家といい、もういい加減に正しく怖がるための情報を提供して欲しいと思います。
 さて、原発事故以来よく聞く「暫定基準」ですが、食料品に関係する暫定基準て何なのでしょうか。調べてみました。
2011年 7月18日 赤沢富士男
■飲食物摂取制限に関する指標(暫定基準)

平成23年3月17日
厚生労働省医薬食品局食品安全部長
核種 原子力施設等の防災対策に係る指針における
摂取制限に関する指標値(Bq/kg)
放射性ヨウ素
(混合核種の代表核種:131I)
飲料水 300
牛乳・乳製品 注)
野菜類
(根菜、芋類を除く。)
2,000
放射性セシウム 飲料水 200
牛乳・乳製品
野菜類 500
穀類
肉・卵・魚・その他
ウラン 乳幼児用食品 20
飲料水
牛乳・乳製品
野菜類 100
穀類
肉・卵・魚・その他
プルトニウム及び超ウラン元素の
アルファ核種
238Pu,239Pu, 240Pu, 242Pu, 241Am,
242Cm, 243Cm, 244Cm放射能濃度の
合計)
乳幼児用食品 1
飲料水
牛乳・乳製品
野菜類 10
穀類
肉・卵・魚・その他
注)100 Bq/kgを超えるものは、乳児用調製粉乳及び直接飲用に供する乳に使用しないよう指導すること。


表中に出てくる核種について
核種 元素名 半減期
131I ヨウ素131 8.02日
134Cs セシウム134 2.06年
137Cs セシウム137 30.1年
234U ウラン234 24万年
235U ウラン235 7億年
238U ウラン238 45億年
238Pu プルトニウム238 88年
239Pu プルトニウム239 2.4万年
240Pu プルトニウム240 6,500年
241Am アメリシウム241 432年
242Cm キュリウム242 160日
243Cm キュリウム243 29年
244Cm キュリウム244 18年
 ちなみに、世界の基準と比較してみると・・・ 1.飲料水
  WHO基準(ヨウ素131)・・・10 (Bq/L)
  WHO基準(セシウム137)・・・10 (Bq/L)
  ドイツガス水道協会・・・0.5 (Bq/L)
  アメリカの法令基準・・・0.111 (Bq/L)
  ウクライナ(セシウム137)・・・2 (Bq/L)
  ベラルーシ・・・10 (Bq/L)

 飲料水は毎日欠かせないものですし、多量に摂取しますから厳しく設定されています。日本でも3月17日以前は、
  ヨウ素131(131I)・・・10 (Bq/L)
  セシウム137(137Cs)・・・10 (Bq/L)
だったようです。

2.食品
  アメリカの法令基準・・・170 (Bq/kg)
  ウクライナ・野菜(セシウム137)・・・40 (Bq/kg)
  ベラルーシ(子供)・・・37 (Bq/kg)
  ベラルーシ(野菜)・・・100 (Bq/kg)

野菜のイメージ写真  これまでの日本の輸入品規制値が370(Bq/kg)と、これも高かったんですね。
 ちなみにWHOでは、緊急時でも合計1,000(Bq/kg)以上のものは食べないほうがよいと言われています。2,000(Bq/kg)はいくらなんでも高いように見えます。 どうも年間5mSv/y(ミリシーベルト/年)まで許容するという前提で計算されているようですから、緊急避難的な数値設定のようですが、この前提もどうなんでしょうか…。
■ベクレル(Bq)について

線量計の写真  ベクレルは、放射性物質が1秒間に崩壊する回数の単位です。たとえばセシウム137(137Cs)は、β線を放出してバリウム137(137mBa)になりますが、 1秒間にこの変移が1回起こると1ベクレル(Bq)になります。今回の騒動になった牛肉の暫定基準500Bq/kgは、1kgの牛肉から1秒間に500回β線が放出されることを意味しています。 放射線量計が「ガリッガリッ」と音がしますが、その音の回数とイメージしていいのではないでしょうか。
 あわせてセシウム137(137Cs)の場合、汚染された肉は、燻製にしようが、ミイラにしようが、半分の250Bq/kgになるまで30年(半減期)かかるということにもなります。 体内に取り込まれたセシウムの体内動態はカリウムと似ているらしく、主に筋肉に蓄積されるようです。代謝による体内半減期は100〜200日と言われています。 そのあいだはβ線の影響を受け続けることになります。β崩壊して変わったバリウムは速やかに排泄されるみたいですが、 X線撮影の造影剤・硫酸バリウム以外の塩類では毒性が強いとあり、気になったのですが、詳しいことは分かりませんでした。


写真はMicrosoftのクリップアートを使用しています
トップページ原発は要らない> 暫定基準

<-RETURN Copyright(c) 2012 FujiMan Production All Rights Reserved