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万葉の世界(13) |
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この歌は大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいつらめ)の作品です。「知らえぬ恋は」は“片想い”のことです。 「片想いの恋は、苦しいものよ」と詠んでいます。これだけだと何の変哲もない歌になってしまいますが、この歌の素敵なところは、 「夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の」と詠んでいるところです。 姫百合(ヒメユリ)で調べますと、主に沖縄地方に見られる真っ赤な花を咲かせるユリ科の植物に行き当たりますが、この歌に詠まれている姫百合は、 白い小さな花を咲かせるユリだと考えられているようです。 誰にも知られず、繁みの中でひっそりと・・・、でも決して汚くは咲かない、精一杯きれいに花を咲かせる姫百合に詠み込むことで、 「知らえぬ恋は苦しきものそ」と詠う大伴坂上郎女が、とても素敵な恋をしている女性に思えてきます。 |
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