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万葉の世界
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瀬戸内の風景  徒然日記で紹介した万葉集を、私のお気に入り編?にしてまとめておきます。
 犬養孝先生の解説そのままというわけにはいかないと思いますが、受け売りになりますので、その点はお許しください。
 それから私にとっては「雑学」かな…と、ほかに相応しいコーナーがないので、これもお許しください(^^ゞ


■ はじめにお読み下さい ■
自然現象に想う   君が行く 海辺の宿に 霧立たば 吾が立ち嘆く 息と知りませ
  わがゆゑに 妹嘆くらし 風早の 浦の沖辺に 霧たなびけり
恋の悩み   君が行き 日長くなりぬ 山たづね 迎へに行かむ 待ちにか待たむ
  かくばかり 恋ひつつあらずは 高山の 磐根し枕きて 死なましものを
  ありつつも 君をば待たむ 打ち靡く わが黒髪に 霜の置くまでに
  秋の田の 穂の上に霧らふ 朝霞 何処辺の方に わが恋ひ止まむ
霊魂(1)   信濃なる 千曲の川の 細石も 君し踏みてば 玉と拾はむ
言霊(ことだま)   あしひきの 山のしづくに 妹待つと われ立ちぬれぬ 山のしづくに
  吾を待つと 君が濡れけむ あしひきの 山のしづくに ならましものを
霊魂(2)   淡路の 野崎の崎の 浜風に 妹が結びし 紐吹きかへす
切ない恋   磯城島の 大和の国に 人二人 ありとし思はば 何か嘆かむ
会いたい想い   たけぬれば たかねば長き 妹が髪 この頃見ぬに 掻きれつらむか
  人は皆 今は長しと たけと言へど 君が見し髪 乱れたりとも
憧れのひと   立ちて思ひ 居てもそ思う 紅の 赤裳裾引き 去にし姿を
初恋   葉根蘰 今為る妹を うら若み いざ率川の 音の清けさ
  葉根蘰 今為る妹を 夢に見て 情のうちに 恋ひ渡るかも
禁じられた恋   あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る
  紫草の にほへる妹を 憎くあらば 人妻ゆゑに われ恋ひめやも
気多き恋   家にある 櫃に鍵刺し 蔵めてし 恋の奴の つかみかかりて
待つ想い   来むといふも 来ぬ時あるを 来じといふを 来むとは待たじ 来じといふものを
片想いの恋   夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものそ
目下、恋愛中…   青山を 横切る雲の いちしろく 我と笑まして 人に知らゆな
大らかな愛   高麗錦 紐解き放けて 寝るが上に 何ど為ろとかも あやに愛しき
  上毛野 安蘇の真麻群 かき抱き 寝れど飽かぬを 何どか吾がせむ
  子持山 若かへるでの もみつまで 寝もと吾は思ふ 汝は何どか思ふ
闇夜の月   夕闇は 道たづたづし 月待ちて 行かせわが背子 そのまにも見む
  闇の夜は 苦しきものを いつしかと わが待つ月も 早も照らぬか
  あしひきの 山より出ずる 月待つと 人にはいひて 妹待つわれを
  春日山 おして照らせる この月は 妹が庭にも さやけかりけり
  目には見て 手にはとらえぬ 月の内の 楓のごとき 妹をいかにせむ
逢いたい気持ち   思うはぬに 到らば妹が 嬉しみと 笑まむ眉引 思ほゆるかも
  相見ては 面隠さるる ものからに 継ぎて見まくの 欲しき君かも

■ 万葉時代の男女 ■

(参考文献)  「万葉の人びと」犬養 孝 著/昭和56年12月25日発行(新潮文庫)
 「万葉のいぶき」犬養 孝 著/昭和58年6月25日発行(新潮文庫)

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