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万葉の世界(8)
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立ちて思ひ 居てもそ思う 紅の 赤裳裾引き 去にし姿を
立ちて思ひ 居てもそ思う 紅の 赤裳裾引き 去にし姿を

 『寝ても覚めても、赤い裳の裾を引いて去っていたあの人の姿が忘れられない』と詠んだ歌です。

 「立ちて思ひ 居てもそ思う」は、そのまま解釈すると「立って想い、座っても想い」と、ちょっといまの感覚と違うような気がしますので、「寝ても覚めても…」と書き変えています(^^)。

 当時の女性はツーピースで、上は着物、下の袴(はかま)を裳といいました。今で言うロングスカートです。(^^)

 この歌は民衆の中で詠われたもので、万葉集には「赤裳」という言葉がよく出てくるそうです。当時の男性の憧れの姿だったのかも知れません。

 犬養先生の書では、ほかの歌の句を織り交ぜながら、当時の「万葉美人」について書かれていますが、「寝ても覚めても想う・・・」は、私には、男性の恋心を詠っているように思います。
 「あの女性は美人だな」って思うことはよくありますけど、「寝ても覚めても」思うのは、やっぱりその女性に想いをよせている時でしょう。

立ちて思ひ 居てもそ思う 紅の 赤裳裾引き 去にし姿を

 『寝ても覚めても、貴女のことばかり考えてる・・・貴女が赤裳を引いて去るときの、その姿が忘れられないよ』と詠みたい(^^)


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