序.ドラム始めました
書斎のところでも少し触れたのですが、ドラムを始めたきっかけは、職場の後輩(同僚)が急にギターを始めたのに刺激を受けたことです。
私は学生時代、バンドを組んでギターは弾いてましたので(「Windbell」のページ参照)、ギター以外で何かと思い付いたのがドラムでした。
両手両足をバラバラに動かしてボケ(認知症)防止に役立ちそうなのと、棒で叩く行為はストレス解消にいいかなと思ったからなんですが、ここは田舎とは言え騒音が気になりますし、
ドラムはやっぱり難しいからとやめてしまったらもったいないので安い電子ドラムをネット通販で買って練習していました。
そうしてある程度叩けるようになると、生ドラムが叩きたくなったんですね。これもまたネット通販で買いました。(笑)
騒音対策として、メッシュヘッドとシンバル用のラバーパッドも合わせて買いました。大きな音は出ませんし、これはこれで楽しく叩けて良かったのですが、
所詮メッシュヘッドですからね、シンバルもジャーンと鳴らしたいじゃないですか!(笑)
それで、家族の前で「防音室でも作ろうかな…」とボソっと言うと、娘が待ってましたかとばかりに「カラオケやりたい!」と言い、ヨメも「カラオケ、いいわね」といった感じだったので、
それに気を良くして構想を練り始めるようになりました。どこに、どれくらいで、どのように作るか、ネット検索したり、ホームセンターを巡ったり、
部屋の中を眺めたりして3〜4ヶ月はずっと考えてましたね。
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防音の仕組み
1)反射
音は空気を振動させる波(音波)で、堅い壁に当たると反射します。100%反射すれば完全に音は外に伝わりませんが、実際は多少壁も振動するので外に伝わります。
壁が堅ければ堅いほど、重ければ重いほど振動しにくいので防音効果は高くなるという理屈が成り立ちます。
ただ、このままだと反射した音が部屋の中で響き渡ることになります。
2)吸音
逆に柔らかい壁(物)に当たると音は反射せずそれに吸収されます。柔らかい物は振動しにくいからですが、それでも多少音が漏れてしまいます。
防音効果を高めるためには、この2つを組み合わせていくことになります。また、少しでも隙間があるとそこから音が漏れていきますので、防音室は密閉した部屋を作ることを意味します。
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ドア
防音室のドアを、最初は作るつもりで考えていました。ドアの気密性を高めるためにドアノブにグレモンハンドルを使おうと考えていたからです。
ただ、我が家は田舎な環境にありまして、ご近所さんとは道路や庭、畑をはさんでそこそこ離れているので、
そんなに神経質に防音にこだわらなくてもいいかな…と思い直し、2階のリフォームの時に、なんとなく余っているドアを使うことにしました。
ごく普通のスリガラス付きのドアですので、ガラス部分には発泡スチロールを枠に合わせて貼り、その上から遮音シートを貼ります。
遮音シートは2mで2kgほどのゴムシートのようなものでホームセンターで購入できます。このドアはあとで壁紙を貼ることになります。
繰り返しになりますが、我が家は田舎にあってそれほど防音にはこだわらないので、しっかりした防音室を目指して見ている方には参考にならないかも知れません。
制音室と言ったほうがいいかも知れません。
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部屋の中の部屋
床の防音については、和室に作ることを考えていたので畳を外して新たに防音床を作るかどうか、随分考えあぐねました。
結局、畳も防音効果があるだろうと思い、畳を利用することにしました。つまり畳の上に部屋を載せることにしたのです。
ということで、コンパネで1枚のパネルを作り、それをつなげていくような工法で作ることにしました。
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給電部
防音室の電源を、和室のコンセントから引くことにしました。少しでも隙間があると、そこから音は漏れていくので、
電源コードを引き込むパネルの部分に遮音シートを幅広の両面テープで貼っています。
写真では、コンセントの部分がむき出しになっていますが、配線し直した後に付け直すカバーも準備しています。
パネルはコンパネに角材を木ネジで固定して作っていますが、音漏れを防ぐ目的で、コンパネと角材の間にシーリング材を付けています。
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奥側の壁
家の壁に面した側のパネルを組み立てたところです。パネル同士のつなぎ目にもシーリング材を付けてからネジで固定しています。
家の柱と梁の部分には厚さ2cmのゴム板を両面テープで貼り付けて、そのゴム板にパネルが接するように立てて、家自体には固定していません。
部屋の中の部屋です。ただ、この状態のままだと何かの拍子に倒れる恐れもあるので、一時的に要所だけ固定はしました。
見えない部分ではあるのですが、「不燃」「抗菌」「抗カビ」の壁紙を貼っています。この時、同じ壁紙をドアにも貼りました。
写真左側に遮音シートを貼ってあるのが見えると思うのですが、電源コードではなく、LANケーブルを引き込むために施工してあります。
防音室でインターネットやスマホで歌詞検索ができるように無線ルータを設置するためです。
(この時点で、給電部の配線も終わっています)
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床
次は床です。角材で梯子のような四角い枠だけを作り奥側の壁に固定していきます。床板が固定してあるように見えますが、
手前の壁を設置するまで固定できないのでコンパネを載せているだけです。
作業する場所が、ここしかないので、しばらくは床板が載っているだけの状態が続きます。家族にも通る時は気を付けるように伝えます。
(部屋の残る半分には工具が所狭しと置いてあるので、奥の部屋に行くにはここを通るしかないのです)
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換気口
先に、防音室は密閉室を作ることだと書きました。その通りに作ってしまうと、窒息してしまいますので、やはり換気する必要があります。
そこで換気扇を取り付けて換気口を設置します。音は換気扇口から換気口へ抜けていくことになりますので、その通り道に音が減弱する仕組みを組み入れます。
うちの場合は消音材で囲むだけにしましたので、その仕組みの詳細についてはネットで検索してみてください(汗。
写真左が換気扇を付ける場所(上)と換気口(下)を開けたパネルです。写真右は手前の壁を立て掛けたところです。
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手前の壁
手前の壁も取り付けました。写真左は換気口(取入口側)を外から撮ったものです。新鮮な空気をこちらから取り込んで、先ほどの換気扇口から排気するようになります。
写真右がドアを取り付ける部分になります。天井がまだなので、ドア枠はまだ固定していません。
すべての壁板を床枠に固定したこの時点で、床の防音対策を施して床板を固定しました。防音材にカネライトフォームを使ってみました。
カネライトフォームは断熱材ですが、多少は消音効果もあるのかなと思ったのですが、消音マットのほうが良かったかも知れません。
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天井
天井はパネルを上から載せていきます。パネルの上側は掃除しやすいことを考えてメークアップシールを貼りました。効果の程はよく分かりません。
天井パネルをすべてを載せたあとでネジで固定していきます。これで外側が完成したことになります。
この状態で手を叩くと結構反響します。音の半分は外に出ずに反射して戻ってくることを実感する瞬間です。
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室内配線
外側が完成したので、あとは内側です。まずは室内配線です。照明用の電源、電子機器を使うための電源、LAN配線をしている写真です。
スイッチも照明用、換気扇用と設置しました。
無線ルータはドアの上に設置しました。(ホームセンターのレジ袋がいやらしく写ってしまいましたが、ゴミを入れるためのものです。)
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消音施工
配線が終わったら、壁・天井全面に消音マットを両面テープで貼り、タッカーでも固定していきます。
コンセントボックスの部分から音が漏れ出るので、ボックスを囲むように消音マットを貼り付けていきます。
換気通路は消音マットを貼った、もう1枚の板でフタをして、空気が箱の通路を通るようにしています。
消音マットを全部貼り終えて手を叩くと、反響音はほとんどなくなりました。
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有孔ボード
いよいよ完成に向けて内装です。音楽室でよく見た有孔ボードを貼り付けていきました。消音マットを貼った時点で反響音が無くなったように感じたのですが、
有孔ボードを全面に貼り終わると本当に静かになりました。コンパネに消音マットを貼っただけですからね、多少の残響があったということなんですね。
音楽室としてはここでやめておくのが正解だったのですが、事前に家族と内装に壁紙を施すことにしていたので…
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内装
コンクリート調の壁紙を貼りました。そして換気扇を取り付け、スポットライトに、ミラーボールも付けました(笑)、カラオケルームですからね。
壁紙を貼ってしまったことで、残響が残るようになりました。まあ、部屋自体のエコー効果があるということでいいかと…、カラオケルームですから(笑)。
でも、いい雰囲気の部屋になったと思います。
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床の仕上げ
ドア枠も固定して、ドアを取り付け、シーリング材で壁や天井の角や隙間を埋めたあと、床に遮音シートを貼り、その上にタイルマットを敷いて内装の完成です。
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完成
カラオケ用マシーンとパワーアンプ(PA)、マイクを揃えてパソコンを設置して完成です。
広さはおよそ4畳。パソコンやPAなどの機材スペースの奥行きは40cmほど。ドラムが意外と場所を占有するのですが、隅に追いやれば、数人が楽しむ広さはあると思います。
ドラム練習用ルームとカラオケ用ルームということで「D&K STUDIO」とネーミングしてみました。
東急ハンズで木製のアルファベットを買ってきて、木工ボンドで貼ってみました。もう少し大きくても良かったかな。
カラオケを楽しんでいる様子は、こんな感じです。防音室作りに調子づかせてくれたヨメと娘です。
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防音効果は?
おまけとして、スマホの騒音測定アプリを使って音圧を測定してみた結果を公表します(^^)。
カラオケをしている室内は約90dB(デシベル)。これは電車が走っている高架下の騒音と同じレベルです。なかなか賑やかです。
防音室のすぐ外側(ドアの前)は約60dB。これは人が普通に会話しているレベルです。うるさいとは感じないですね。
廊下を隔てた部屋は約40dB。これは図書館と同じレベルです。その部屋にいたヨメに聞くと、カラオケしていることはまったく分からないみたいですが、
ドラムを叩いてるのは分かるそうです。さすがにバスドラム(足で叩く大きなドラム)のドンドンという鈍い音は聞こえるみたいです。
それ以外はあまり気にならないと言っていました。多分、家の外も同じ程度だと思います。
まあ、思い切りドラムを叩けて、思い存分カラオケを楽しむという目的は達成できたみたいです。
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