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核分裂生成物質の長期半減期
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 私は『地層処分が安全と思えない(2011.08.11)』の中で使用済核燃料の処分についての問題として、 「時間的スケールが長すぎる」というのを理由に書きました。それで、それをもう少し分かりやすくと思い、核分裂で作られる放射性物質のとくに半減期の長いものについて、 人類の誕生から現在までの歴史と並べて表現してみました。今日、やっとできましたのでお見せしたいと思います。ちょっとデカいですが・・・。



 人類の祖先とおぼしき猿人が登場するのは200万年ほど前になりますが、さすがにこれを表現すると、現生人類(現代人=ホモ・サピエンス・サピエンス)が短くなってしまいますので、 40万年前からにしています。これだけに飽き足らず、地球の歴史も並べてみました。地球誕生から45億年が経っていますが、さすがにこの中に入れると100万年は線にしかなりません。 ちなみに生命誕生は40億年前。地球の磁場が完成するのが27億年前で、それまでは宇宙の放射線(宇宙線)が地上に降り注ぎ、生命は深い海の中でしか生きられなかったと考えられています。 生命が地上に登場してきたのが5億年ぐらい前、紫外線が強かったからです。その間、地球それ自体も、全球凍結や大火山噴火による大陸出現、そして大陸移動、大隕石の衝突など、非常に激しい変動を繰り返しています。
半減期の意味
 皆さんがニュースなどで耳にするヨウ素やセシウム、ストロンチウムなども表現してみました。これらは半減期が短いので線にしかなりません。 短いといっても、30年という一世代分に相当する、人にとっては長いものです。これは半減期…つまり、そのままの状態で放置して、放射線量が半分になる期間ですから、 そこで無害にあるということではありません。先日(2011年10月22日)、千葉県柏市の市有地の土壌1kgから、27万6000ベクレル(Bq/kg)のセシウムが検出されたと報道されましたが、 セシウム137だと30年経って13万8000ベクレル(Bq/kg)になるということです。※千葉県柏市の土壌からは半減期2年のセシウム134が7万2000〜12万4000ベクレル含まれていたということですので、 これはあくまでも例ということでご理解ください。
半減期の短い核種は放射能が強い
 核分裂で生成される放射性物質は何百種類にもなります。そのほとんどは非常に不安定な半減期の短いものばかりで、すぐに核崩壊を起こして別の核種に変わります。 キセノンやクリプトン、ルテニウム、テルル、バリウム、ジルコニウム、ロジウム、パラジウム、砒素、カドミウム、アンチモン、セリウム…と、とにかくたくさんです。 半減期の短い核種は崩壊熱(エネルギー)をその短期間に一気に放出します。つまり強い放射線を出しますから、大変危険だということです。 使用済核燃料を処分するということにおいては、半減期の短い核種の崩壊をやり過ごしてやれば扱いやすくなるということなんでしょうか、1000年間は管理しますよ…ということなんですが・・・、 そもそも、その処分地はまだ決まっていません。もっともスリーマイル島原発事故でメルトダウンした炉心を取り出すのに10年以上待ちましたから、 半減期が短いとは言え、そう簡単な話ではないように思います。
半減期が長い核種は内部被曝も怖い
 では、ここに挙げた半減期の長い物質は、放射線が弱いからいいのか…ということなんですが、半減期が長い核種で問題になるのが内部被曝です。 ずっと生物の体内にあるわけですから、その間、防御なしに被曝し続けることになります。いずれ排泄されますと、簡単にいう学者さんもいますが、 先も書きましたが、核分裂で生成される放射性物質はたくさんあるのです。しかも、そのすべての知識を持っているわけではないと思います。 たとえすぐに排泄されたとしても、ヒトは食物連鎖の頂点にいますから、放射能に汚染された食べ物を摂れば同じことだと思います。
 この原発事故の問題は非常に深刻だと私は思います。
2011年10月28日 赤沢富士男
写真はAsahi.comのものを使用しています
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